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何が必要?民泊で必要な消防設備とは?

2022年05月30日

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民泊を開業予定の皆さま、消防設備の設置はお済みでしょうか?
消防設備は一定の条件を満たす場合は設置するよう消防法で定められています。

所轄の消防署に確認することで必要な消防設備がわかりますが、調査などを必要とします。

本記事では、調査の前に一般的にどのような消防設備の設置が想定されるか知りたいという方に向けて、必要な設備と必要になる条件、設備の設置が免除される可能性のある事例をご紹介いたします。

消防法令上の分類とは?

消防法令では、建物の利用方法ごとにいくつかの分類に分けられており、それにより設置すべき消防設備などが定められています。

民泊の場合は消防法令上、「防火対象物」というものに指定されています。
防火対象物は火災予防のための法令で規制対象となる建築物のことで、民泊もその1つです。

また、防火対象物のなかには特に規制の厳しい特定防火対象物と呼ばれる建物も存在します。

民泊は以下3種類の分類のうちのいずれかに分類されることが多く、建物の規模や利用方法などの条件により所轄の消防署が決定します。

・戸建や共同住宅を民泊として使用する場合:5項の「イ:旅館、ホテル、宿泊所等」
・共同住宅の一部を民泊として使用する場合:16項の「イ:複合用途防火対象物のうち、その一部が
 特定防火対象物の用途に供されているもの」
・共同住宅と判断された場合:16項「ロ:イ以外の複合用途防火対象物」

5項のイ、16項イはいずれも特定防火対象物に該当します。

民泊で必要となる消防設備とは?

消防法令で定められている防火対象物の分類のなかで、民泊や共同住宅と判断された場合に必要となることが想定される設備は以下になります。

・自動火災報知設備
・誘導灯
・スプリンクラー消火設備
・消火器

中でも自動火災報知設備、誘導灯は必ず必要になる場合がほとんどです。
とはいえ、建物の面積や条件により、設置義務がなくなるという場合もありますので、1つずつご紹介いたします。

自動火災報知設備

自動火災報知設備は必須と言えるでしょう。
しかし、窓があり、地下のない2階までの比較的小さな規模の建物の場合は、通常の自動火災報知設備ではなく、特定小規模用自動火災報知設備の使用が認められる場合があります。

小さめの面積の目安は延べ面積が300㎡未満程度です。


誘導灯

誘導灯は、非常口付近に設置する避難口誘導灯と非常口の方向を示すために通路に設置する通路誘導灯の2種類があります。
また、大きさによりA級(40cm角)、B級(20cm角)、C級(10cm角)と分かれています。

施設により、設置する誘導灯の大きさや場所が細かく決められていますので、どこに何個必要なのか確認するようにしましょう。


スプリンクラー消火設備

スプリンクラー消火設備は、火災発生時、自動で水や消火剤を散布する設備のことです。
設備の規模によっては必要になることがあります。

スプリンクラー設備の設置は大規模な工事となることが多いため費用は100万円〜と高額です。
自治体で行なっている補助金制度の対象や範囲についても確認しておきましょう。
消火器
薬品や水、ガスなどを手動で散布することにより消火するものです。
民泊の場合、面積が小さい施設は設置の義務はありませんが、小規模な火災の場合すぐに対処できるというメリットがあります。
価格も安価なものが多くありますので、設置義務はなくても1本は設置しておくことをお勧めいたします。


消防設備の設置が免除される要件

実は小規模な民泊の場合、消防設備の中でも誘導灯の設置が免除される場合があります。

消防庁から出ている「民泊における消防用設備の設置について」のリーフレットに免除されるための要件の例が記載してありますので、抜粋します。

戸建ての場合

1 次の全ての要件に適合し、避難階が1階の場合
(1)以下のいずれかに該当すること。
ア.各居室から直接外部に容易に避難できること。
イ.各居室から廊下に出れば、簡明な経路により容易に避難口へ到達できること。
(2)建物の外に避難した者が、当該建物の開口部から3m以内の部分を通らずに安全な場所へ避難できること。
(3)利用者に対して避難口等の案内を行うことや、見やすい位置に避難経路図を掲示すること等により、容易に避難口の位置を理解できる措置を講じること。

2 次の全ての要件に適合し、避難階が2階以上の場合
(1)各居室から廊下に出れば、簡明な経路により容易 に階段へ到達できること。 
(2)廊下等に非常用照明装置を設置すること又は常時 容易に使用できるように居室に携帯用照明器具を 設置すること等により、夜間の停電時等において も避難経路を視認できること。 
(3)1の(3)の要件を満たしていること。

共同住宅の場合

(1)民泊を行う住戸の床面積が100㎡以下。
(2)民泊を行う住戸内の廊下に非常用照明装置の設置又は各宿泊室に携帯用照明器具を設置。
(3)全ての宿泊室が以下のいずれかに該当すること。
ア.直接外部又は避難上有効なバルコニーに至ることができる。
イ.2以上の居室を経由せずに玄関に通じる廊下に至ることができ、かつ、一の居室を経由する場合でも経由する居室に非常用照明装置の設置又は宿泊室に携帯用照明器具を設置する。

民泊の消防設備の設置は消防テックにお任せください!

いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した内容を参考にいただき、実際にどの消防設備が必要かについては所轄の消防署に問い合わせてみるようにしてください。

消防署からの回答を弊社などの消防設備業者にお伝えいただくと見積もりまでの流れが非常にスムーズになります。
消防テックでは、寸法の記載された図面を参考にすることで必要になるであろう設備の数量と設置場所を推定し概算見積もりをお出しすることも可能です。

少しでも気になることなどありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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