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二酸化炭素消火器ってなに?メリットと使い方・注意点をご紹介します。

2022年05月24日

二酸化炭素消火器タイトル

消火器は皆様にとって一番身近な消防設備ですが、ご自宅や職場に置いてある消火器は適切でしょうか?

消火器は様々なガスや薬剤により火災を消火します。

安全に配慮されたものが多い中でも使い方を誤ると死亡事故にもつながるものもありますので、事前に特徴を知ることにより誤った使い方をしないよう、特殊な消火器をご紹介します。

本記事では数ある消火器の中でも二酸化炭素消火器の特徴や注意点、最近ニュースで話題の二酸化炭素消火設備との違いについて開設いたします。


二酸化炭素消火器ってどんな消火器?特徴は?


二酸化炭素消火器はその名の通り、二酸化炭素を噴射して消火する消火器です。
特徴は大きく3つです。

  1.  二酸化炭素が入っている
  2. 薬品が飛び散らない
  3. 化学変化が起きない

炎の特徴である「酸素がないと燃えない」性質を利用している二酸化炭素は、二酸化炭素を噴射することにより炎の周りの酸素をなくして消火します。

二酸化炭素はガスなので、薬品が飛び散ることも水濡れもなく使用できるのが特徴です。
また、二酸化炭素は不活性ガスと呼ばれる化学変化が起きづらいガスであり、電気も通しませんので、様々な火災で活躍できます。

二酸化炭素消火器のメリット


二酸化炭素消火器は、水濡れに弱いもの、化学反応を起こすと危険なものがある場所の消火に強いです。

例えば、化学薬品が多く置いてある実験室や、病院、パソコンなどの精密機器が置いてあり、よく換気されている広いサーバールームなどで使用されています。

また、ガスのため消火後の復旧にもあまり時間がかからないため、美術館などにも適しています。

二酸化炭素消火器を使う上での注意点

二酸化炭素消火器は使用しても汚れたりしないという大きなメリットがありますが、内容物が二酸化炭素という特性上、二酸化炭素中毒への注意が必要です。
 
密閉した部屋や、換気がしづらい狭い部屋などで使用すると、部屋から酸素がなくなり、二酸化炭素中毒となる危険性があります。
 
使い方を誤ると死亡事故にも繋がる恐れがありますので、十分注意してご利用ください。

二酸化炭素消火設備との違いは?

近年、死亡事故の発生により話題となっている二酸化短所消火設備ですが、これはスプリンクラーなどと同様、火災を感知すると手動または自動で二酸化炭素が放出され、消火する仕組みになっており、原理は二酸化炭素消火器と同様です。

二酸化炭素消火設備は不活性ガス消火設備の中の1種で、二酸化炭素の他に窒素、IG-541ガスが使用されていることもあります。

中でも二酸化炭素は麻酔性があるため、濃度が一定以上になると人命の危険が生じます。

スピーカーや制御盤など、手動または自動で二酸化炭素を噴出するために必要な様々な設備から構成されている設備の総称で、二酸化炭素消火器は見た目は一般的な消火器と変わらず、薬剤の代わりに二酸化炭素ガスが入っているというものになります。


二酸化炭素消火設備は不活性ガス消火設備とも言い、二酸化炭素消火器と同様か、それ以上に使い方を誤ると人命に関わる設備のため、二酸化炭素消火設備は、建物が無人の場合以外は手動式にするよう法律で定められています。


実際に二酸化炭素消火設備で発生してしまった死亡事故

2021年には二酸化炭素消火器による死亡事故が2件起きてしまっており、いずれも点検や工事などの作業中の作業員が犠牲となってしまっています。

・令和3年1月 東京都港区
二酸化炭素消火設備の消防設備点検作業中、何らかの原因で放出された消火剤により作業員の方が亡くなられた死亡事故です。
 
・令和3年4月 東京都新宿区
都内マンションの地下駐車場で、天井張り替え作業中、何らかの原因で消火剤が駐車場内に放出され、作業員の方が亡くなられた死亡事故です。

2020年12月にも名古屋で同様の事故が相次いでしまったことで、消防庁は「閉止弁」を確実に閉めること、古い消火設備にも弁の取り付けを徹底するなど、対策を進めています。


消火器の処分や設置・交換は消防テックにご相談ください

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いかがでしたでしょうか、
二酸化炭素消火器は汚れないため、ご家庭などにも設置したいと考える方も多いと思いますが、精密機器や特殊な化学薬品が置いてある場所のみに適している消火器で、普通火災に対しては適切ではありません。

パソコン用以外で、普通火災(A火災)、油火災(B火災)、電気火災(C火災)に備えたい場合、ABC粉末消火器ならどの火災タイプでも対応しておりますので、消火器は適性を考えて設置しましょう。

また、二酸化炭素消火器は使い方を誤ると大変危険です。
必ず説明書をよく読み、使用の際は正しい使い方で使ってください。

消防テックでは点検から工事まで対応しております!
地域によっては現地調査も無料でお伺いさせていただきますので、消防設備や避難器具のことでお困りの方はお気軽にこちらからご相談ください