ABC粉末消火器のABCって何?
2020年12月12日
皆さんは、ABC粉末消火器のABCが何を表しているかご存知ですか?
時々、お客様から「ABC粉末消火器のABCって何のこと?」とご質問をいただくことがあります。
オフィスや店舗に、ABC粉末消火器を設置している方も多いかと思いますが、
ABCの意味を知らないで設置している方も多いのではないでしょうか?
今回はそのABCの意味についてご紹介します!
ABCは、どんな火災に対応できるかを表している!
ABC粉末消火器のABCとは、国の規格で、どのような火災に対応できるかを表しています。
A、B、Cについてそれぞれ解説していきます。
A火災・・・普通火災
A火災とは、普通可燃物の火災のことです。
普通火災、一般火災ともいいます。
普通可燃物とは、木材、紙類、繊維などの普通の可燃物のことで、A火災は木材や紙、繊維など、固体の燃えやすいものの火災を指します。
B火災・・・油火災
B火災とは、油による火災のことです。油火災ともいいます。
具体的には、ガソリンやシンナーなどの引火性液体の火災を指します。
ABC粉末消火器は水が使えない油火災も消火してくれるということです!
C火災・・・電気火災
C火災とは、電気設備の火災のことです。電気火災ともいいます。
具体的には、電線や変圧器、モーターなどの火災のことを指します。
わかりましたでしょうか。
Aは普通火災、Bは油火災、Cは電気火災を表しているのです。
すなわち、ABC粉末消火器はほぼすべての火災に適応していると言えます!
下記の表をご覧ください。
一番右のABC粉末消火器だけ×(消化できないもの)がありません。
とても高い消火能力が備わっているのです!
現在市販されている小型消火器具の中で初期消火において
最もすぐれているのがこのABC粉末消火器といわれるのも頷けますね!
ABCの能力単位にも注目!
ABC粉末消火器のABCが、適応火災を表していることは分かりましたね。
つぎに能力単位についてご説明します。
下の写真は消火器本体に貼ってあるラベルです。黄色で囲った部分をご覧ください。
A-3、B-7と数字が一緒に書かれていますね。
この数字は「消火能力」を示しています。
この消火能力には基準となる単位があり、以下のように定められています。
A:8リットルの消火バケツ3杯分が能力単位1
B:スコップ2杯の砂が能力単位1
つまり、写真の「A-3 B-7 C」という消火器の場合、
Aの火災なら、消火バケツ9杯分の消火能力がある
Bの火災なら、スコップ14杯分の消火能力がある という意味を持っているのです。
※C(電気火災用)には能力の単位はありません。
つまり、数値が大きい=消火能力が大きい、ということになります。
消火器は様々な大きさがあり、使用薬剤もたくさんあります。
その中でそれぞれの消火器の持つ消火能力を
表示する手段として能力単位が使われているのです。
消火器の種類、大きさにより能力単位は異なりますのでお手持ちの消火器を確認してみてください。
ABC粉末消火器の薬剤はピンク色!
こちらもあまり知られていませんが、ABC粉末消火器の薬剤はピンク色をしています。
これは粉末消火器に使用している薬剤、「リン酸アンモニウム」の色です。
薬剤の色で種類が見分けられます。
粉末の主成分ごとに以下のようになっています。
リン酸塩(リン酸アンモニウム)・・・ピンク
適応/普通火災・油火災・電気火災(A・B・C)
※普及している大半の消火器はこの粉が利用されています。
炭酸水素ナトリウム(重曹)・・・白か薄青色
適応/油火災(B火災)・電気火災(C火災)
炭酸水素カリウム(重炭酸カリウム)・・・紫色
適応/油火災(B火災)・電気火災(C火災)
薬剤を見る機会があった場合は、色をチェックしてみてください。
ABC粉末消火器の点検も忘れずに!
自動火災報知設備やスプリンクラー設備同様、消火器も定期的な点検が必要です。
老朽化した消火器は破裂することがあります。
原因は、錆・腐食、傷・変形(へこみなど)・キャップのゆるみなどです。
耐用年数を過ぎていなくても、異常を発見した場合はすみやかに交換しましょう!
消火器の設置は消防テックまで!
いかがでしたでしょうか?
私達の身近にある消火器ですが、新しい発見があったのではないでしょうか。
いつ起きるかわからない火災に備え、お持ちの消火器を手に取って今一度使用方法を確認してみるのも良いですね。
消火器の設置や交換をご希望の方はお気軽に消防テックへお問合せ下さい!
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